設立の背景
戸建住宅の外壁仕上げには、幾つかの種類があります。
それらを大別すると、窯業系サイディング、金属系サイディング、ALCパネルなど、あらかじめ工場でつくられた製品を建築現場では釘やビスなどで取り付ける「乾式工法」と呼ぶもの、セメントと砂、あるいは土などを建築現場で水を加えて練って塗り付ける「湿式工法」と呼ぶものに分けられます。
乾式工法と呼ばれる製品は、製造販売元となる企業が限られていることもあり、組織化された団体が製品特徴や設計基準などに関する情報を随時提供しています。
しかし湿式工法と呼ばれる製品は、いわゆる塗り壁と言われて数百年に渡り使用されてきましたから、各地各場所で異なる多種多彩なものがつくられていて、組織化された団体が製品特徴や設計基準に関する情報をくまなく発信することは困難でした。
そのため、エンドユーザーである家を建てる方をはじめ、工事をされる方や設計をされる方に対して、適切な情報が伝わっていないケースも多いことが判ってきました。
一例として、モルタル外壁は火事で燃えやすいと思っている方が時々いらっしゃいます。実際には、モルタル外壁は都市の防火を目的に日本で普及推進されてきました。
あるいはまた、設計施工される方が適切でない材料選択や工事をされて、モルタル外壁本来の効果を発揮しないばかりか、雨漏りする、ひび割れる、地震時に剥落するなどの不具合を起こした事例も多くあります。
本来、モルタル外壁は、火災に強く、地震に強く、暴風雨にも強く、オリジナリティを活かせるテクスチャと色彩、長持ちする、など様々な利点があります。
建築関係者の方やエンドユーザーの方に、製品、設計、施工、維持管理方法などの情報を正しく伝え、良質な家づくりそして健全な町づくりを手助けしたい、という思いから構成メンバーの方々が声を掛け合い設立に至りました。