目的に合わせて選ぶ
ラス下地板から外側は直張り下地構法と同じですが、通気胴縁によって、透湿防水シートとラス下地板との間に通気層が設けられているモルタル外壁です。
室内や壁の内部で発生した湿気は、透湿防水シートを通過し、この通気層から外に排出されます。
また万一、雨水などがラスモルタルより内側に浸入しても、この通気層から排出されます。そのため、建物の構造体やラスモルタルは乾燥状態に保たれ、劣化を防ぐことができます。
ラス下地板を省略したモルタル外壁ですが、通気胴縁によって通気層が確保されていて、二層下地通気構法と同様に、建物の構造体やラスモルタル自体の劣化を防止することができます。
この構法で使用されるラスは、モルタルを塗るときに面外にたわみ難くするため、剛性の高いものが使用されます。
構法用のラスには裏打ち紙が付いていて、モルタルを塗ったときにラスの裏側にモルタルがはみ出さないようになっています。
通気胴縁による通気層がなく、柱などの構造体に直接ラス下地板が打ち付けられていて、その上に防水紙、ラス、モルタルが順に施工されます。
壁の内部に通気経路が確保されていない場合は、室内などで発生した湿気が排出されず、また、予期せず浸入してしまった雨水も滞留することになります。
そうなってしまうと、構造体やラスモルタルの含水率が上昇し、構造体の腐朽や、ステープルなどの金属製部品の腐食につながり、比較的小さな地震でもラスモルタルが脱落することがあります。