何世代でも住み続けられる家づくり
外壁の汚れは、表面の仕上げ方と雨水の流れ道が大きく影響します。
素材感や手作り感を出すために表面に凹凸をつけると、そこにチリやホコリが溜まりやすく、汚れる原因となります。
昨今は汚れを軽減する塗料やコーティング剤が各種販売されているので、これらを使用することで汚れにくくすることも可能です。
ただし、塗料やコーティング剤は永久に効果を発揮するものではありません。塗り替えの時期,色つや,費用,効果など様々です。
ぜひプロの方と相談して決めましょう。
汚れ方は、立地,表面の凹凸,雨風の当たり具合,建物の形状,天候…など条件により様々ですが、どんな材料でも必ずいつかは汚れます。
家が長持ちするということは汚れも段々と積もっていくということです。
ここではそうしたモルタル外壁の汚れについて、
「① 汚れが目立つかどうか」「② 汚れた時にどうすればキレイになるか」
の2つのポイントについて解説します。
大地震などの場合を除き、適正な設計施工であればそもそも性能に影響する大きなひび割れは起こりません。
一般に0.2mm以下の小さなひび割れ(=ヘアクラック)は雨漏れや火災,地震などへの影響はないので心配はご無用です。
地震が起きた後など万一ひび割れが見つかった場合は、割れた状況を見て建物の損傷具合や場所を見つけることができる上、部分的な補修もできるので早めに対処することが可能です。
外壁のひび割れが目立つのが嫌な方には、「弾性力のある塗装を厚く塗る」または「割れる位置をコントロールするための目地をつくる」という選択をお奨めします。
モルタル外壁は力を全体に分散しており、何かがきっかけになって力が集中してしまうことでひび割れが大きく目立ってしまいます。そこで、目地をつくることで割れる位置をコントロールするのです。
板状の外装材は一定間隔で継ぎ目がありますから、そこがひび割れ相当になり、ほかの部分にひび割れができません。
目地をつくる際には、
1)目地の部分も防火上の必要な厚さを確保すること,
2)万一雨水が浸みても建物が傷まない通気構法にすること
の2点に注意しましょう。
一日の寒暖差が大きな寒冷地や積雪地では、壁の表面が吸い込んだ水が凍ったり溶けたりを繰り返して壁の表面を傷める「凍害」という現象が起こります。
凍害が起きやすい地域では、壁の表面に水が残らぬよう水を吸わない塗装をしたり、水の切れが良い工夫をすることが大切です。
凍害を防止する工夫は、隙間を作ったり,水切りの形にモルタルを塗ったり,水を切るデザインにしたりいろいろあるので、ぜひ地域の信頼できる建設会社に相談してみてください。
長持ちする家づくりには、
1)家の大切な部分が腐ったり錆びたりしないこと
2)地震などの災害で大きく壊れないこと
3)住み続けたい愛着を感じること
の3点が重要なポイントとなります。
雨漏りや結露の滞留を生じない設計・施工がなされていれば、モルタル外壁は腐れることも朽ちることもありません。
ですから、その家に住まう人を長くずっと、火災や地震などの災害から守ってくれます。
またモルタル外壁は、洗浄や塗装,あるいは補修などのメンテナンスで、美観上も長持ちさせることができます。
晴れの日に玄関前で撮った写真,庭先で家族と過ごした時間,外壁を真新しく塗装した記憶,…などの場面に出てくる家の外壁は、あなたの暮らしのそばに、ずっと寄り添います。